2歳~18歳の小児向け経鼻インフルエンザワクチンのお知らせ
2024-10-16
カテゴリー:重要なお知らせ
タグ:
いつも大変お世話になっております。
平田内科小児科医院から2歳以上19歳未満(2歳~18歳)の小児向け経鼻インフルエンザワクチンについてのお知らせです。
元々、2003年に初めて米国で経鼻弱毒生ワクチンが初めて承認され、この度、2023年3月27日に国内で承認されました。
2024/25シーズンのインフルエンザシーズンを前に、ワクチンシーズンに合わせて11月より平田内科小児科医院でも同ワクチンを院内採用と致しました。
このお知らせは経鼻インフルエンザ弱毒生ワクチン接種を推奨するものではありません。あくまで選択肢の1つとして新たなワクチン接種が国内認可され、当院採用となったお知らせとなります。
現在の当院予定としましては、ワクチン供給量に限りがあるため、土曜日午後のみの予約接種となります。
ワクチン接種の予防効果については通常の注射でのインフルエンザ不活化ワクチンと違いはありませんが、注意事項がありますので下記を参考にしていただければ幸いです。
・ワクチン接種の方法
左右それぞれの鼻腔への噴霧を行います
1シーズン1回接種です
・ワクチン接種の費用
当院での経鼻インフルエンザ弱毒生ワクチン接種にかかる費用は7000円です
・通常のインフルエンザ不活化ワクチン注射と比較して優れている点
通常の注射でのワクチン接種と異なり、針を刺す必要がありません。点鼻での噴霧接種になりますのでワクチン接種での痛みはありません
点鼻で行うため通常の注射でのワクチン接種と比較して粘膜免疫であるIgAが活性化するとされています
・通常のインフルエンザ不活化ワクチン注射と同じ点
経鼻での弱毒生ワクチンであり、注射での生ワクチン接種と異なり他の不活化ワクチン注射と同時に接種が可能です
卵アレルギーのある方や鶏卵、鶏肉その他鶏由来のものに対してアレルギーのある方は接種注意患者となります
ゼラチンアレルギーの患者様や免疫不全の患者様、ステロイドを服用中の患者様については接種不適応となります(接種することができません)
・通常のインフルエンザ不活化ワクチン注射と異なっている点
インフルエンザ不活化ワクチン注射は1シーズンで2回接種を2歳~13歳未満の方対象に行いますが、当該ワクチンは国内では1シーズンに1回接種までしか認められていません(1回接種で十分量の免疫を獲得できるとされていますので問題ありません)
当該ワクチン接種後、上気道症状(咳・痰・鼻汁)や微熱などのインフルエンザ様症状が出現することがあります(経鼻弱毒生ワクチンの効果です)
当該ワクチン接種後1~2週間程度はインフルエンザ迅速検査時に陽性反応が生じることがあります(擬陽性=実際に罹患しているわけではありません)
当該ワクチン接種後、周囲の濃厚接触者に稀にインフルエンザ様の症状が出現しインフルエンザ迅速検査時に陽性反応が生じることがあります(弱毒生ワクチンの水平伝播 擬陽性=実際に罹患しているわけではありません)
・経鼻インフルエンザ弱毒生ワクチンの注意点
経鼻での弱毒ワクチン接種となるため、鼻腔粘膜免疫のグロブリンであるIgAが活性化されます。このことは免疫形成においては有利に働くことが期待できますが、喘息発作の既往のある患者様やIgA関連疾患の基礎疾患がある患者様にとっては逆に不利益になる可能性があります。
当院では1年以内の喘息発作の既往のある方やIgA関連疾患の基礎疾患のある患者様に対する経鼻インフルエンザ弱毒生ワクチンの接種は推奨致しません
以下詳細な薬剤情報(医療従事者向け)については下記を参照してください。
日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会→経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方
当院受付での直接予約または電話での予約を受け付けております。希望の際には「鼻からのインフルエンザワクチン接種」を希望とお申しつけ下さい。
患者様の不利益にならないよう医院受診時にも情報提供に取り組んでいく所存です。
ご理解の程よろしくお願い申し上げます。
平田内科小児科医院